東急イーライフデザインらしさの向上につながる『E-life Award』

――まずは、『E-life Award』の概要について教えてください。

Iさん:
『E-life Award』は、東急イーライフデザインが事例研究の発表の場として2年に1度開催している社内研究発表会です。
2015年の初回開催を皮切りに、年に1度実施していましたが、コロナ禍以降からは2年に1度の頻度で開催しています。

チームでひとつのテーマに取り組み成果を発表することで、チーム力の向上を図るとともに企業としての総合力を高めることが目的のひとつです。
また、取り組みを共有し横に展開することで、顧客満足度向上や事業推進につなげ、東急イーライフデザインらしさを向上させるとともに、他社との差別化やさらなる価値の向上を目指すねらいもあります。
『E-life Award』は、必ずしも部署や住宅ごとに取り組んでいるわけではなく、部署間をまたいで編成されていることもあります。
過去には、住宅や部署を越えた新卒同期メンバーで取り組みを発表したチームもありました。
所属先が違っても同じ課題を抱えていたり共通の目標を掲げていたりすることは決して珍しいことではありません。
同じような課題意識を持ったメンバーが集まって取り組みを行うこともあり、様々な編成のチームが参加してくれています。

――『E-life Award』の審査はどのような評価基準で行われているのですか?

Iさん:
『E-life Award』の本選で発表された取り組みの中から金賞、銀賞、銅賞を確定し、表彰しています。
発表を評価するのは、社長と部長以上の管理職、各住宅の支配人など、約30名の審査員です。

研究内容着眼点展開力プレゼンテーション力の4項目で審査され​、全審査員の評価点の合計を平均した得点が、最終的な審査結果となります。

日々の業務をイメージしながら運営をブラッシュアップ

――『E-life Award』を運営するうえで苦労したことや意識していることはありますか?

Iさん:
現場から参加するメンバーは現場でご入居者の対応や通常業務を行いながら、本社から参加するメンバーは日々の業務を行いながら『E-life Award』に向けた準備をしているので、できる限り現場での業務を想像しながら負担のかからないような運営や案内をすることを心がけています。
私自身も住宅での業務経験があるため、その時のことを思い出しながら現場のリアルな状況をイメージするようにしています。

また、毎回、前回の反省点を踏まえて運営内容をブラッシュアップし、より良い運営を目指しています。

取り組みが全社に広がることを目指す

――これまでの発表で特に印象に残っている事例はありますか?

Iさん:
『E-life Award』が始まって間もない頃に発表された人財育成タスクフォースの取り組みはとても印象的でした。
当時、社内体制として人財育成制度がしっかりと確立されておらず、あるチームが『人財育成タスクフォース』と称した育成制度の形式を発表してくださいました。
その取り組みは全社にも広がり、その後の育成制度の確立に大きな影響を与えてくれました。
ひとつのチームの取り組みが全社に根付いた『E-life Award』の理想的なモデルケースです。

その他にも、介護事業にポジティブに向き合った取り組みなど、各住宅に広がってほしいと思えるような発表はこれまでにもたくさんあります。
今後も、『E-life Award』を通して素晴らしい取り組みが全社に広がることを目指して運営していきたいと思っています。

金賞を受賞!680の“ありがとう”をつくる個別ケア

――2025年12月5日に行われた『E-life Award2025』では、グランクレール芝浦のサービス向上委員会の皆さんが取り組んだ「680の“ありがとう”をつくる個別ケア」が見事に金賞を受賞されました。
その主軸を担い、『E-life Award』に登壇されたKさんに取り組みについて詳しくお話を伺います。
まずは、「680の“ありがとう”をつくる個別ケア」に取り組んだ背景を教えてください。


Kさん:
これまでグランクレール芝浦では、「プラス1のシフト」と題して、外出したりご入居者お一人おひとりのご要望を叶えられるような企画を実施したりする特別な1日を創出する個別ケアに注力してきました。
約5年ほど実施する中で、多くのご入居者がこのプラス1のシフトを楽しみにしてくださり、おかげさまで高い満足度にもつながりました。

一方で、昨今の人財不足等の問題を抱える中で、これまで取り組んできた「プラス1のシフト」を成り立たせることが難しいと感じるようになりました。
そうした中で、何かできることはないだろうかと検討を重ねて取り組んだのが、「680の“ありがとう”をつくる個別ケア」です。

5分間活動で、多種多様な特別な時間を創出

――「680の“ありがとう”をつくる個別ケア」とはどのような取り組みですか?

Kさん:
これまで取り組んできた「プラス1のシフト」のように特別な1日を設けるのではなく、日常の中に特別な時間を作る「5分間活動」を企画しました。
毎日の中に、ご入居者それぞれにとってのちょっとした特別な時間を設けることができれば、「プラス1のシフト」のように大々的に取り組まなくても、プラスアルファの個別ケアを実現できるのではないかと考えたんです。

それぞれのスタッフが日常のケアの中で「1日5分」の時間を設けて、ご入居者の日頃のケアの中で気になっていることやご入居者が興味を持っていることなどに毎日取り組んでもらいました。
その結果、2ヶ月分の取り組みを簡単なシートにまとめて集計したところ、なんと680件の個別ケアを実現することができたんです。取り組んだ時間を換算すると、7日分の「プラス1のシフト」を創出できていました。

特別な1日を設けるのではなく、1日5分のちょっとした特別なケアに取り組むことで、個別ケアを実現することができ、毎日がスペシャルだと感じていただけるような取り組みになったと自負しています。

――素晴らしい取り組みですね!実際に取り組まれた「5分間活動」の事例を教えていただけますか?

例えば、いつもより丁寧な爪のケア、朝のお化粧、ちょっとしたお部屋の片付けなど、日頃から気になっていたけれど「今度やろう」と思っていたことを「5分間活動」に取り入れているスタッフが多いです。中には、リハビリの延長線上で、少しだけ歩いていただく距離を長くすることに取り組んだスタッフもいます。
スタッフによって視点も違い、多様な取り組みがうまれたことで、「こんなにたくさんできることがあったんだ!」と、日々できることの幅広さに気づくこともできました。

日常に浸透させる難しさを痛感

――5分間活動に取り組むうえで大変だったことはありますか?

Kさん:
まずは、この活動を住宅全体に浸透させることが最初の関門でした。
日々忙しくご入居者と向き合う中で、5分間を創出することは決して簡単ではありません。

そこで、私を含め、この取り組みに主体となって参加したサービス向上委員会のメンバーが、先人を切って取り組み「これだけやればこんなに変わるんだよ」ということを背中で見せるようにしたんです。
主体となって取り組んだメンバーは「自分がやっていることを広めたい!みんなにもやってもらいたい!」という想いを持ったインフルエンサー気質の方が多かったこともあり、気づけば他のスタッフの理解も得られるようになり、皆が前向きに「5分間活動」に取り組んでくれるようになりました。

日々目の前のことで忙しくしている中で、プラス5分の時間を設けることは確かに簡単ではないかもしれません。
ですが、本質的には「ご入居者のためになることをしてあげたい」と思っているスタッフばかりなんです。だからこそ、最初は首を縦に振ってくれなかったスタッフたちも、「ご入居者のためになるのならば」という想いで取り組んでくれたのだと思います。

また、『E-life Award2025』でプレゼンテーションするうえでの資料作成にも苦労しました。
「せっかくいい取り組みなのに、この資料では良さが伝わらない」と支配人から指摘され、何度も資料を作り直しました。
お陰で、これまでとは違ったスキルも身につき、個人的にはとてもいい経験をさせてもらえたと感じています。

スペシャルな日々の提供が、スタッフのやりがいに

――今回の取り組みを通してどのような効果や変化がありましたか?

Kさん:
大きく変わったことは、スタッフの仕事へのモチベーションです。「5分間活動」を通して、「やりたいと思っていたけれどできていなかったこと」が実施できたことは、スタッフの達成感ややりがいにもつながったと感じます。

また、これまでは、プラス1のシフトで特別な1日を提供することに注力していましたが、裏を返せば、それ以外の日は何もない日々になってしまっていたことに気づいたんです。
今回の取り組みを通して毎日の中に特別な時間を作ることができ、「毎日がスペシャル」な日々をご提供することができたことは、ご入居者だけでなくスタッフにとっても充実した毎日に繋がっていると感じます。
特別な1日だけでなく、「毎日あなたのことを想っていますよ。」という気持ちで仕事に励むことができますし、ご入居者の方々にもその想いが日々伝わっていたらいいなと思っています。

展開しやすく汎用性の高い取り組み

――「5分間活動」は、他の住宅でも取り入れやすそうですね。

Kさん:
実際に今回のプレゼンの後に、他の住宅の支配人から「うちでも取り入れてみるよ」という声を多数いただきましたし、役員の方からも「ぜひ展開してほしい」と声をかけていただきました。
今やどの住宅でも人財不足や要員適正化の課題を抱えているため、以前取り組んでいたプラス1のシフトは、取り入れにくいと感じる住宅も多いかもしれません。
でも、「5分間活動」は日常の中に取り入れられるため、他の住宅にも展開しやすく汎用性も高いと自負しています。

グランクレール芝浦では、すっかりスタッフの中に根付いて、今では毎日のように何かしらのプラス1に取り組んでくれています。

スタッフの頑張りを記憶に残せたことが嬉しい

――『E-life Award2025』で、金賞を受賞した時はどのような気持ちでしたか?

Kさん:
個人的には、受賞することよりも、発表することで皆さんの記憶に残ってくれたらいいな、記録よりも記憶に残したい、という想いが強かったんです。
だからこそ、金賞受賞は想定外で、受賞した時は、嬉しい反面なかなか実感がわきませんでした。
実際にグランクレール芝浦に戻って、スタッフの皆さんから「おめでとう!」と言っていただいて、やっとふつふつと実感がわきました。

今回はグランクレール芝浦を代表して2名のメンバーで発表しましたが、実際に取り組んできたのはスタッフの皆さんです。
『E-life Award2025』で発表したことで、スタッフの皆さんの取り組みを他の社員の皆さんや役員の方に知っていただき評価してもらえたことが何よりも嬉しかったですね。まさに、皆さんの記憶に残すことができたんじゃないかなと思っています。

より気軽で柔軟に取り組める仕組みを整えたい

――Kさんが描く今後の目標や展望などがあれば教えてください。

Kさん:
今回の取り組みは、従来のグランクレール芝浦のやり方から大きく転換した取り組みで、まだまだ階段の一段目を登りはじめた段階です。実際に、「5分間活動」と称して実施してきましたが、実践してみたら「5分間では実現できないことがあった」という声も挙がり、課題も見つかりました。
同時に、それだけスタッフの皆さんが「もっとこうしたい」「こんなことに取り組んでみたい」という想いが強いのだなということも再認識しました。

今後は、時間を縛ることなくもう少し柔軟に取り組めるような仕組みを作っていきたいです。そのためには、余裕を持ってご入居者と向き合い仕事に励むことのできる環境づくりも欠かせません。
「プラス1何かやらなきゃ!」と義務として取り組むのではなく、スタッフ一人ひとりが「今ちょっと時間あるからやっちゃおう!」と余裕を持って気軽に取り組めるような仕組みをきちんと整えていきたいと思っています。

――貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
※本記事に掲載されている情報は、2026年1月8日時点の情報です。

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