介護現場から人事部へ。現場経験を活かして研修運営を担うまで
――Mさんのこれまでの経歴について教えてください。
私は2019年度に新卒で東急イーライフデザインへ入社し、今年で7年目になります。
入社当初は、「グランクレール世田谷中町ケアレジデンス」で、介護スタッフとして現場に立っていました。そこで3年間、介護職として、ご入居者に寄り添う日々を過ごし、4年目には人事部へ異動。そこからは研修や中途採用、派遣職員の対応など、多岐にわたる業務を担当しています。
特にキャリア入社の方向けの研修については、異動2年目からメインで運営を担当しており、現在も引き続き取り組んでいます。新卒向けの研修については別の担当者が中心となって取り組んでいるので、私は主にキャリア採用の方々に向けたサポートに注力しています。
私は2019年度に新卒で東急イーライフデザインへ入社し、今年で7年目になります。
入社当初は、「グランクレール世田谷中町ケアレジデンス」で、介護スタッフとして現場に立っていました。そこで3年間、介護職として、ご入居者に寄り添う日々を過ごし、4年目には人事部へ異動。そこからは研修や中途採用、派遣職員の対応など、多岐にわたる業務を担当しています。
特にキャリア入社の方向けの研修については、異動2年目からメインで運営を担当しており、現在も引き続き取り組んでいます。新卒向けの研修については別の担当者が中心となって取り組んでいるので、私は主にキャリア採用の方々に向けたサポートに注力しています。
実務にすぐ活かせる、二日間で備える“働くための基礎”
――キャリア入社の方向けの研修内容について詳しく教えてください。
キャリア入社の方向けの入社時研修は、毎月月初にオンラインで2日間かけて実施しています。対象は正社員と契約社員の方で、月中に入社された方も含めて、その翌月の研修に参加いただいています。各拠点からオンラインで参加いただく形式なので、遠方の方でも無理なく受講いただけます。
研修では、まず当社で働くうえで知っておいていただきたい基本的な制度やルール、情報セキュリティなど、実務に直結する内容を中心に構成しています。
特に1日目は、福利厚生制度や勤怠ルールなど、安心して働いていただくための基礎知識に加え、社内システムの使い方やトラブル対応についてのレクチャーも行います。実際の業務ではパソコン操作が必要となる場面も多いため、ITリテラシー向上にも力を入れています。
また、初日の午前中には、当社代表が直接オンラインで参加し、入社いただいた皆様に向けた挨拶があります。現場で働いていると直接話す機会がなかなか得られないことも多い中で、このような機会を設けているのは、中途で入社いただく皆様を大切にお迎えしたいという会社の姿勢の表れです。
キャリア入社の方向けの入社時研修は、毎月月初にオンラインで2日間かけて実施しています。対象は正社員と契約社員の方で、月中に入社された方も含めて、その翌月の研修に参加いただいています。各拠点からオンラインで参加いただく形式なので、遠方の方でも無理なく受講いただけます。
研修では、まず当社で働くうえで知っておいていただきたい基本的な制度やルール、情報セキュリティなど、実務に直結する内容を中心に構成しています。
特に1日目は、福利厚生制度や勤怠ルールなど、安心して働いていただくための基礎知識に加え、社内システムの使い方やトラブル対応についてのレクチャーも行います。実際の業務ではパソコン操作が必要となる場面も多いため、ITリテラシー向上にも力を入れています。
また、初日の午前中には、当社代表が直接オンラインで参加し、入社いただいた皆様に向けた挨拶があります。現場で働いていると直接話す機会がなかなか得られないことも多い中で、このような機会を設けているのは、中途で入社いただく皆様を大切にお迎えしたいという会社の姿勢の表れです。
2日目は、当社の企業理念や会社概要といった、より全社的な視点での理解を深めていただく内容が中心となります。
当社は各住宅ごとに業務が完結することも多く、職種によっては会社全体のつながりを実感しにくい側面もあります。そのため、「シニア住宅・介護住宅・事業所に就職した」のではなく「東急イーライフデザインの一員として働いている」という意識を持っていただけるよう、こうした内容を取り入れています。
また、「ハラスメント」「コンプライアンス」といった、東急不動産ホールディングスグループ全体として重要視しているテーマについても、具体的なケースや考え方を交えて説明しています。特に介護・看護職のように個人情報を扱う場面が多い職種では、こうした意識をしっかり持つことが不可欠です。
そして、研修の後半には「心が伝わる接遇とは」と題したパートがあります。
当社が運営する住宅には、ハイクラス層のご入居者に多くご利用いただいていることから、接遇の質は非常に重要な要素です。ご入居者が安心して暮らし続けられるよう、日常のふるまいや言葉遣いにまで意識を持って対応できるよう、この部分には特に時間をかけて研修を行っています。
当社は各住宅ごとに業務が完結することも多く、職種によっては会社全体のつながりを実感しにくい側面もあります。そのため、「シニア住宅・介護住宅・事業所に就職した」のではなく「東急イーライフデザインの一員として働いている」という意識を持っていただけるよう、こうした内容を取り入れています。
また、「ハラスメント」「コンプライアンス」といった、東急不動産ホールディングスグループ全体として重要視しているテーマについても、具体的なケースや考え方を交えて説明しています。特に介護・看護職のように個人情報を扱う場面が多い職種では、こうした意識をしっかり持つことが不可欠です。
そして、研修の後半には「心が伝わる接遇とは」と題したパートがあります。
当社が運営する住宅には、ハイクラス層のご入居者に多くご利用いただいていることから、接遇の質は非常に重要な要素です。ご入居者が安心して暮らし続けられるよう、日常のふるまいや言葉遣いにまで意識を持って対応できるよう、この部分には特に時間をかけて研修を行っています。
この研修はあくまで入社初期に必要な知識を身につけていただく「導入編」として位置づけています。
その後も職種ごとに用意された専門的な研修プログラムがありますので、段階的にスキルや知識を深めていただける環境を整えています。
その後も職種ごとに用意された専門的な研修プログラムがありますので、段階的にスキルや知識を深めていただける環境を整えています。
「今、必要なこと」を届ける。現場の声で磨かれるキャリア入社時研修
――キャリア入社時研修の導入背景について教えてください。
この研修が導入された背景には、現場の声が大きく影響しています。
もともとは、キャリア入社された方々に対して、各住宅で個別に研修を行っていましたが、現場の負担が大きかったり、知識のばらつきが出てしまったりといった課題がありました。
そうした課題を受け、「東急イーライフデザインの社員として最低限知っておいてほしいことを一括で伝えられる仕組が必要ではないか」といった現場からの要望が集まり、この研修がスタートしました。
実際、導入当初から内容が固定されていたわけではなく、現場からのフィードバックをもとに、少しずつ項目を追加・ブラッシュアップしてきました。
たとえば最近では「住宅の料金サービスに関する理解を深めてほしい」というライフデザイン部(営業部)からの要望を受けて、当社が運営する「グランクレール」シリーズの価格帯やサービス内容についての解説パートを新たに追加しました。ご入居者に対してどれくらいの料金でどのようなサービスを提供しているかを理解することは、現場で働くうえでの意識にもつながりますので、短時間ではありますが重要な時間として位置づけています。
また、情報セキュリティや社内システムのログイン案内についても、以前は各住宅に任せていた部分ですが、住宅の担当者ごとにITスキルにばらつきがあることから、現在では本社のICT担当部署が一括で対応するように変更しました。これにより、研修を受けた方がスムーズに業務を始められる環境づくりが進んでいます。
このように、キャリア入社時研修は固定的な内容ではなく、常に現場のニーズや課題感をもとに見直しを図っています。私たち人事担当としても、現場の皆さんがより安心して業務に取り組めるよう、引き続き柔軟な対応を心がけています。研修はあくまでスタートラインであり、ここで得た学びを土台に、それぞれの現場でさらに深めていってもらえたらと思っています。
この研修が導入された背景には、現場の声が大きく影響しています。
もともとは、キャリア入社された方々に対して、各住宅で個別に研修を行っていましたが、現場の負担が大きかったり、知識のばらつきが出てしまったりといった課題がありました。
そうした課題を受け、「東急イーライフデザインの社員として最低限知っておいてほしいことを一括で伝えられる仕組が必要ではないか」といった現場からの要望が集まり、この研修がスタートしました。
実際、導入当初から内容が固定されていたわけではなく、現場からのフィードバックをもとに、少しずつ項目を追加・ブラッシュアップしてきました。
たとえば最近では「住宅の料金サービスに関する理解を深めてほしい」というライフデザイン部(営業部)からの要望を受けて、当社が運営する「グランクレール」シリーズの価格帯やサービス内容についての解説パートを新たに追加しました。ご入居者に対してどれくらいの料金でどのようなサービスを提供しているかを理解することは、現場で働くうえでの意識にもつながりますので、短時間ではありますが重要な時間として位置づけています。
また、情報セキュリティや社内システムのログイン案内についても、以前は各住宅に任せていた部分ですが、住宅の担当者ごとにITスキルにばらつきがあることから、現在では本社のICT担当部署が一括で対応するように変更しました。これにより、研修を受けた方がスムーズに業務を始められる環境づくりが進んでいます。
このように、キャリア入社時研修は固定的な内容ではなく、常に現場のニーズや課題感をもとに見直しを図っています。私たち人事担当としても、現場の皆さんがより安心して業務に取り組めるよう、引き続き柔軟な対応を心がけています。研修はあくまでスタートラインであり、ここで得た学びを土台に、それぞれの現場でさらに深めていってもらえたらと思っています。
「受けてよかった」が広がる―現場から届いた生の声
――実際に研修を受けたスタッフの皆さんからはどのような声が届いていますか。
直近で入社された方々を対象にアンケートを実施したところ、さまざまな意見や感想をいただきました。印象に残った研修項目として多かったのは「情報セキュリティ研修」です。
特にパソコンに不慣れな方にとっては、初めて触れるシステムや操作が多いため、丁寧に説明するよう心がけています。そのため「とても勉強になった」「改めて確認できてよかった」といった声をいただくことも多く、私たちとしても励みになっています。
また、今回の参加者の中には、以前はパートや派遣として働いていた方が、正社員や契約社員として雇用形態を切り替えられたケースもありました。現場経験がある方でも、改めて会社の制度や理念を知ることで、「自分に足りないことに気づけた」「プロ意識を持って取り組みたいと思った」といった前向きなコメントを寄せてくださいました。
他にも、「心が伝わる接遇とは」の研修が印象に残ったと挙げた方からは、ケアスタッフとしての基本を改めて見つめ直す機会になったという声がありました。
また、「福利厚生制度」について学び、仕事とプライベートを両立させたいという感想や、「コンプライアンス研修」で危機感を持ったことで、日頃からの行動を見直そうと感じた方もいらっしゃいました。
こうした声を受け止めながら、私たちも研修の内容や進め方を常に見直し、より良いものにしていけるよう努めてまいります。研修は単なる制度説明の場ではなく、入社された皆さんに「東急イーライフデザインの一員として働く」自覚を持ってもらうための大切なスタートラインだと考えています。
直近で入社された方々を対象にアンケートを実施したところ、さまざまな意見や感想をいただきました。印象に残った研修項目として多かったのは「情報セキュリティ研修」です。
特にパソコンに不慣れな方にとっては、初めて触れるシステムや操作が多いため、丁寧に説明するよう心がけています。そのため「とても勉強になった」「改めて確認できてよかった」といった声をいただくことも多く、私たちとしても励みになっています。
また、今回の参加者の中には、以前はパートや派遣として働いていた方が、正社員や契約社員として雇用形態を切り替えられたケースもありました。現場経験がある方でも、改めて会社の制度や理念を知ることで、「自分に足りないことに気づけた」「プロ意識を持って取り組みたいと思った」といった前向きなコメントを寄せてくださいました。
他にも、「心が伝わる接遇とは」の研修が印象に残ったと挙げた方からは、ケアスタッフとしての基本を改めて見つめ直す機会になったという声がありました。
また、「福利厚生制度」について学び、仕事とプライベートを両立させたいという感想や、「コンプライアンス研修」で危機感を持ったことで、日頃からの行動を見直そうと感じた方もいらっしゃいました。
こうした声を受け止めながら、私たちも研修の内容や進め方を常に見直し、より良いものにしていけるよう努めてまいります。研修は単なる制度説明の場ではなく、入社された皆さんに「東急イーライフデザインの一員として働く」自覚を持ってもらうための大切なスタートラインだと考えています。
安心して集中できる研修体験を目指して
――Mさんが研修を運営する上で心がけていることについて教えてください。
研修を運営する上で意識しているのは、参加される方が「受けてよかった」と思える時間になるよう、できる限りストレスのない環境を整えることです。
特に現在はオンライン形式での実施が多くなっていますが、事前のご案内や必要事項の伝達を丁寧に行い、当日に「何をすればよいかわからない」といった不安を感じさせないように心がけています。
また、私自身これまでに多くの研修を受けてきましたが、その中で「無駄だった」と感じたものはほとんどありませんでした。むしろ毎回多くの気づきや学びがあり、今の仕事にも確実に活きていると感じています。
受講者の皆様からも「ためになった」「価値を感じた」という声をいただくことが多く、研修を前向きに受けてくださる方が増えているのは嬉しい限りです。
ただ、現場での業務が忙しい中で、「研修=負担」と感じてしまう方がいるのも事実です。だからこそ、最初の一歩をどう後押しするかが重要だと考えています。
研修を義務として捉えるのではなく、「自分自身の成長の機会」として前向きに参加してもらえるよう、これからも伝え方や内容の工夫を続けていきたいと思っています。
研修を運営する上で意識しているのは、参加される方が「受けてよかった」と思える時間になるよう、できる限りストレスのない環境を整えることです。
特に現在はオンライン形式での実施が多くなっていますが、事前のご案内や必要事項の伝達を丁寧に行い、当日に「何をすればよいかわからない」といった不安を感じさせないように心がけています。
また、私自身これまでに多くの研修を受けてきましたが、その中で「無駄だった」と感じたものはほとんどありませんでした。むしろ毎回多くの気づきや学びがあり、今の仕事にも確実に活きていると感じています。
受講者の皆様からも「ためになった」「価値を感じた」という声をいただくことが多く、研修を前向きに受けてくださる方が増えているのは嬉しい限りです。
ただ、現場での業務が忙しい中で、「研修=負担」と感じてしまう方がいるのも事実です。だからこそ、最初の一歩をどう後押しするかが重要だと考えています。
研修を義務として捉えるのではなく、「自分自身の成長の機会」として前向きに参加してもらえるよう、これからも伝え方や内容の工夫を続けていきたいと思っています。
働き方の多様化に対応した新たな研修体制づくりへ
――今後の目標を教えてください。
これまでキャリア入社の方を対象に実施してきた入社時研修ですが、今年度からは新たな取組として、パート社員の方向けの動画研修もスタートしました。
現場から「パート社員にも基礎的な内容を学ぶ機会を設けてほしい」という声をいただいたことがきっかけです。
内容としては、キャリア研修で扱っているテーマの中から、パート社員にも関係のある項目をピックアップし、1本あたり20~30分程度にまとめた動画を作成しました。
当社では、近年パート社員の採用が増加傾向にあります。これまでは一部職種に限られていた雇用形態でしたが、現在では主要な職種でもパートとして入社いただくケースが増えており、正社員・契約社員からライフスタイルに合わせてパートへ雇用形態を変更される方も少なくありません。
同じ職種であれば、業務内容に大きな違いはないため、雇用形態に関わらず基本的な知識は共有されるべきだと考えています。そのため、正社員だけでなくパートの方も同等の研修を受講できる状況にしたいという思いがありました。今回の動画研修の導入は、その第一歩です。
今後は、より多様な働き方に対応できる研修体制を整えていくことが目標です。
働き方の選択肢が広がる中で、既存の制度だけではカバーしきれない場面も出てくると思います。そうした状況に柔軟に対応しながら、誰もが働きやすい環境を整えていけるよう、研修内容もアップデートを重ねていきたいと考えています。
これからも、現場の声を大切にしながら、より良い研修の形を模索していきたいです。
これまでキャリア入社の方を対象に実施してきた入社時研修ですが、今年度からは新たな取組として、パート社員の方向けの動画研修もスタートしました。
現場から「パート社員にも基礎的な内容を学ぶ機会を設けてほしい」という声をいただいたことがきっかけです。
内容としては、キャリア研修で扱っているテーマの中から、パート社員にも関係のある項目をピックアップし、1本あたり20~30分程度にまとめた動画を作成しました。
当社では、近年パート社員の採用が増加傾向にあります。これまでは一部職種に限られていた雇用形態でしたが、現在では主要な職種でもパートとして入社いただくケースが増えており、正社員・契約社員からライフスタイルに合わせてパートへ雇用形態を変更される方も少なくありません。
同じ職種であれば、業務内容に大きな違いはないため、雇用形態に関わらず基本的な知識は共有されるべきだと考えています。そのため、正社員だけでなくパートの方も同等の研修を受講できる状況にしたいという思いがありました。今回の動画研修の導入は、その第一歩です。
今後は、より多様な働き方に対応できる研修体制を整えていくことが目標です。
働き方の選択肢が広がる中で、既存の制度だけではカバーしきれない場面も出てくると思います。そうした状況に柔軟に対応しながら、誰もが働きやすい環境を整えていけるよう、研修内容もアップデートを重ねていきたいと考えています。
これからも、現場の声を大切にしながら、より良い研修の形を模索していきたいです。
※本記事に掲載されている情報は、2025年8月19日時点の情報です。