グランクレール芝浦ケアレジデンス|住宅の概要

外観(土地:事業者非所有、建物:賃借)
東京都港区のベイエリアに位置する「グランクレール芝浦ケアレジデンス」は、東急イーライフデザインが運営する介護付有料老人ホームです。館内には、歩行機能の維持・改善を目的とした「歩行リハビリプログラム」を導入しており、ご入居者の自立支援に力を入れています

自立支援型デイサービスを全国に展開する株式会社ポラリスと2024年7月に提携し、歩行訓練が可能な歩行機器「3連Pウォーク」や、パワーリハビリ用のトレーニングマシンを活用した「歩行リハビリプログラム」を導入。お一人おひとりの身体状態に合わせた内容で、安全かつ継続的に取り組める環境を整えています。実際に、歩行機能の改善や介護度の軽減につながったケースも見られます。

居室や共用部分は都市型の生活にふさわしい快適な設計で、駅や商業施設からのアクセスも良好。ご入居者の「歩いて暮らすよろこび」と、スタッフの気づきから生まれるサービス改善が共に育まれる住まいです。

看護師から支配人へ。現場経験を活かして歩んだキャリア

――Iさんのご経歴をお聞かせください。

私は東急イーライフデザインに入社して、今年で13年目になります。最初は「グランクレール成城」で看護師として勤務を始め、6年間ほど現場で経験を積みました。その後、当社が運営を受託している「アリスタージュ経堂」へ異動し、そこで看護師長、施設長とポジションを変えながら携わってきました。

次に着任したのが「グランクレール立川」で、副支配人として運営に関わりました。そして、2024年2月に「グランクレール芝浦」に異動し、同年4月から支配人として勤務しています。

当社では、看護職から支配人になるケースはあまり多くありません。現在、看護師出身の副支配人が数人おりますが、支配人を務めているのは私だけです。珍しいケースかもしれませんが、今後は医療的な知識を活かしたマネジメントの必要性も高まる中で、私のようなキャリアを歩む人も増えてくるのではないかと感じています。

運河を臨む、ご入居者の憩いの場「リビング・ダイニング」

リハビリで“自分らしい生活”を支える、「グランクレール芝浦ケアレジデンス」の特徴

――「グランクレール芝浦ケアレジデンス」の特徴やPRポイントについて教えてください。

「グランクレール芝浦ケアレジデンス」では、2024年8月より「歩行リハビリプログラム」の取組をスタートしました。当社運営の介護住宅の中でも、歩行リハビリを本格導入しているのは、この住宅だけなんです。
専門のリハビリ機器を揃え、歩行リハビリによる自立支援のノウハウをお持ちの株式会社ポラリス様と業務提携し、定期的なコンサルティングも受けながら運用しています。

軽度の動きで全身の神経と筋肉を再び活性化させることを目的としたパワーリハビリ機器(全6種)
一般的には、介護付有料老人ホームに入居される方は「ここが最期の住まい」と考えて入られることが多いのですが、ここでは少し違います。リハビリを通じて歩行機能の回復を図り、可能であれば在宅復帰を目指すような選択肢も提供できる介護住宅を目指しています。

取組を始めて約1年が経ち、3ヶ月に一度実施している歩行機能測定では、体力改善は100%、機能回復についても85%といった成果が出ています。介護度3の方が要介護度1まで改善した事例もあり、歩行器を使用されていた方がお一人で歩けるようになったり、トイレにご自身で歩いて行けるようになったりと、目に見える変化が多くの方に現れています。

私たちスタッフにとっても、ご入居者の変化を間近で感じられるのは大きなやりがいです。ご自身の足で外出されるようになることで、ご入居者の表情や日々の生活にも活気が戻ってきます。

こうしたリハビリによって外出できるようになった方も多く、ご入居者の表情や日常生活にも明るさが戻っています。また、リハビリ後の愉しみとして、創作活動やドッグセラピーなどのアクティビティにも力を入れており、「お買い物リハビリ」もスタートしました。近隣のスーパーでの買い物を通じて、身体機能だけでなく脳の活性化や意欲向上にもつなげています。

歩行リハビリ イメージ

歩行リハビリプログラム導入までの道のり

――歩行リハビリプログラム導入が大きな特徴だということですが、導入の背景や取組にあたって大変だったことなどについてお聞かせください。

この取組を始めた背景には、開設から5年が経過する中で、「住宅の魅力を新たにつくりたい」という思いがありました。何か住宅としての強みを打ち出せないかと考えていたとき、見学にいらっしゃった方々から「リハビリはどの程度やってもらえるのですか?」という質問をいただくことが多く、リハビリを軸にした取組に着目するようになりました。

そんな中で出会ったのが、自立支援型のリハビリサービスを全国で展開している株式会社ポラリス様です。スタッフからの情報提供を受けて、私自身も見学に行き、「これはぜひグランクレール芝浦ケアレジデンスで導入したい」と強く感じました。その足で社長に直談判し、すぐに見学を提案。実際に社長にも現地を見ていただいた結果、導入が決定しました。

見学に行ったのが2024年4月、導入はその4ヶ月後の8月。しかも当初は9月開始予定だったのを、さらに1ヶ月前倒ししてスタートするという、非常にタイトなスケジュールでした。短期間での準備は本当に大変でしたが、ライフデザイン(営業)部門、企画部門、運営スタッフが一体となって、導入に向け急ピッチで進めました。

また、導入にあたってはご入居者が前向きに参加できるよう、「リハビリ」の言葉にとらわれず、愉しく取り組める雰囲気づくりにも力を入れました。職員からのネーミング案を募り、「ウォークアップルーム 芝浦キャナル」というリハビリスペースの名称を決定。お茶を飲んだり、テレビを観たりしながら休憩するスペースも用意して、リラックスした空間に整えています。

今では、ご入居者同士が「一緒に行こうよ」と誘い合って参加いただくようになり、リハビリへの参加率も大きく向上しています。導入時の苦労はありましたが、ご入居者の笑顔や変化を間近に見ることができる今、その苦労もやりがいに変わっています。

体重の50%分負荷を受け止める免荷装置付きの「3連Pウォーク」 歩行器や車いすをご利用の方も安全に歩行練習が可能です。

多様なバックグラウンドを強みに

――「グランクレール芝浦ケアレジデンス」で働くスタッフについて教えてください。

「グランクレール芝浦ケアレジデンス」では、現在約50人ほどスタッフが在籍しています。基本的には各フロアごとに担当スタッフが分かれており、1フロアあたりおよそ10人前後の体制です。
また、介護・看護スタッフの他、機能訓練指導員(理学療法士・言語聴覚士)も歩行リハビリや生活リハビリの場面で活躍しています。

開設からまだ5年目ということもあり、勤続年数が長いスタッフはあまり多くはありません。むしろ、開設に合わせて新たに採用されたメンバーが中心で、他のグランクレールの住宅からの異動者は少数です。いわば芝浦カラーを持った、新しいチームで構成されている住宅と言えるかもしれません。

前職でも介護業界で働いていたスタッフがほとんどで、さまざまな施設や会社での経験を持ち寄りながら、日々のケアや業務改善に取り組んでいます。これまでの経験や知見を活かしながら、「もっとこうした方がいいのでは?」という声も積極的に出してくれており、その声をもとに新たな仕組や取組が生まれることも少なくありません。

多様なバックグラウンドを持ったスタッフが集まって、まだまだ進化の途中にある芝浦ケアレジデンス。スタッフ同士が意見を出し合いながら、よりよい住宅づくりを目指して一緒に動ける環境が整っています。今後も、スタッフ一人ひとりの経験や想いを活かせる職場でありたいと思っています。

居室イメージ

現場の声を原動力に。スタッフと共創するマネジメント

――Iさんがスタッフの方と接する際に心がけていることを教えてください。

スタッフとの接し方では、「対等な関係性」を大切にしています。支配人という立場ではありますが、現場で働くスタッフの声や気づきを取り入れてこそ、より良い住宅運営につながると考えています。

日々の中で心がけているのは、できるだけ現場に足を運び、声をかけることです。ご入居者の笑顔が見られたときや、ご家族様から感謝のお言葉をいただいたときなど、ポジティブなフィードバックはできる限りその場で本人に伝えるようにしています。そういった言葉がスタッフのモチベーションにつながると感じていますし、「また頑張ろう」と思ってもらえるきっかけになればと思っています。

また、スタッフの声をもとに実際に改善を進めることも多くあります。たとえば、以前にあったのが「植栽がもう少しきれいだと、ご入居者やご家族様にとっても気持ちいいのでは」という意見。それを受けて、思い切って植栽管理会社を変更しました。
ほかにも、エントランスホールの雰囲気を明るくしたいという声があり、ソファーカバーを一新して、より親しみやすい空間に変えたこともあります。

ご入居者・ご家族様をお迎えする「エントランスホール」
こうした改善を推進するために、2024年「プロモーションチーム」を立ち上げました。これは希望者による有志の集まりで、「どうすれば『グランクレール芝浦ケアレジデンス』をもっと魅力的な住宅にできるか」をテーマに意見を出し合っています。
実際に出たアイデアの中には、備品の見直し、季節の装飾の強化、ご入居者のご家族様への支援方法など、さまざまなものがありました。

特に印象に残っているのが、ご逝去された方のご家族様をお招きし、故人を偲ぶ会を開いたことです。これはスタッフからの「亡くなったあとも、ご家族様とつながりを持ちたい」という声をきっかけに実現しました。ご家族様からは「あたたかい時間を過ごせた」とお手紙をいただき、スタッフにとっても大きな励みとなりました。

より良いケアのために。スタッフ満足を起点とした住宅づくり

――「グランクレール芝浦ケアレジデンス」の今後の目標をお聞かせください。

やはりまずは「スタッフが満足して働ける環境を整えること」だと私は思っています。スタッフが自分の仕事にやりがいを持ち、安心して働けることが、ご入居者の満足につながると考えているからです。

ありがたいことに、今はスタッフからさまざまな意見や提案をもらえる風通しの良い職場になってきたと感じています。そういった声にきちんと耳を傾け、実際に反映していくことで、また次の意見が出てくるといった繰り返しが、住宅全体の質の向上にもつながっていると考えています。

もちろん、まだまだ改善の余地はありますし、もっと良くしていける部分もたくさんあると思っています。これからも「みんなでつくる住宅」という姿勢を大切にしながら、ご入居者にとっても、スタッフにとっても、さらに魅力的な場所を目指していきたいですね。

パワーリハビリ イメージ

経験とアイデアが循環する、風通しの良い職場

――「グランクレール芝浦ケアレジデンス」で働くことを検討している方にメッセージをお願いします。

「グランクレール芝浦ケアレジデンス」は、まだ発展途上の住宅です。だからこそ、これから新しく入社いただく方の意見やアイデアをとても大切にしたいと思っています。

これまでの経験を活かして、「こんな取組をしてみたい」「ここをもっと良くしたい」という想いを持っている方には、きっと活躍の場がたくさんある環境です。現場からの声をもとに変化してきた住宅だからこそ、新しく加わってくださる方の視点を歓迎しています。
※本記事に掲載されている情報は、2025年8月26日時点の情報です。

関連する記事

関連するキーワード