ロコモ体操とは
ロコモティブシンドローム(以下:ロコモ)は、骨、関節、筋肉、神経などの運動器の障害により移動機能が低下した状態を指し、2007年に日本整形外科学会によって提唱されました。
ロコモが進行すると、転倒や骨折により日常生活に支障をきたしたり、寝たきりの状態を引き起こす原因になったりする可能性が高く、早期に予防することが大切です。
ロコモ体操は、筋力やバランス能力、柔軟性などを高めてロコモを予防することを目的とした簡単な運動で、高齢者でも簡単に取り組むことができます。
【グランクレール:サービス紹介】ロコモ予防運動プログラム
ロコモ体操にチャレンジ
どのメニューも手軽に実践できますので、ご自宅や施設での健康維持・増進にぜひお役立てください。
膝関節の安定性を向上する【膝伸ばし】
1.足の裏を床につけて椅子に座り、脚を肩幅程度に開く
2.片足ずつ、3~4秒かけて膝を最後まで伸ばしきり、3~4秒かけて元の位置に戻す
3.左右10回ずつを1セットとし、1日3セットを目指しましょう
【ポイント】
膝を伸ばす際は、爪先を自分の方に向けながら足を上げるのがポイントです。
膝や爪先が外側・内側を向いて関節を痛めないように注意しましょう。
回数はあくまでも目安として、ご自身の体力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
下肢筋力を強化する【スクワット】
1.足を肩幅程度に広げ、つま先を30度ほど外側に向ける
2.椅子の背もたれにつかまり、3~4秒かけて椅子に腰掛けるくらいまでしゃがみ、3~4秒かけて立ち上がる
3.8回を1セットとし、1日3セットを目指しましょう
【ポイント】
椅子に腰掛けるように太ももと床が平行になるくらいまでしゃがみ、つま先よりも膝が前に出ないようにするのがポイントです。
また、膝が内股にならないように気をつけましょう。
回数はあくまでも目安です。ご自身の体力や体調に合わせて、無理のない範囲で行いましょう。
ふくらはぎを強化する【かかと上げ】
1.足を肩幅に広げてつま先はまっすぐ正面に向ける
2.椅子や壁につかまり、3~4秒かけてかかとをあげてつま先立ちになり、3~4秒かけてゆっくりとかかとをおろす
3.10回を1セットとし、1日3セットを目指しましょう
【ポイント】
かかとを下ろす際は、勢いよく下ろさず、ゆっくりとコントロールするのがポイントです。
また、背中を後ろにそらさないように気をつけましょう。
回数はあくまでも目安として、ご自身の体力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
ロコモ体操で期待できる4つの効果
1.筋力やバランス感覚の維持・向上
また、腹筋や片脚立ちなどの動作は、体幹機能の強化に効果があり、バランス感覚の維持・向上に役立ちます。下肢筋力とバランス感覚が総合的に強化されることで、歩行が安定したり、階段の昇り降りが楽になったりするなど、移動能力の改善も期待できます。
2. 精神面の安定やQOL(生活の質)の向上
高齢者住宅などでは、ご家族と離れて生活することや身体が思うように動かせないことに、孤独や不安を感じてしまう高齢者の方も少なくありません。
ロコモ体操で無理なく身体を動かすことで、気持ちが前向きになり、うつ症状の予防にも繋がると考えられています。身体を動かす喜びは、精神面の安定をもたらし、結果的に生活の質(QOL)の向上にも貢献します。
3. 認知機能の維持・改善
ロコモ体操を継続することで、この前頭葉が活性化され、認知機能の維持や改善にもつながると期待されています。身体を動かすことが、脳の健康にも良い影響を与えるのです。
4. 高齢者の自立支援
これは、高齢者自身の自信にも繋がり、自立した生活を送るための大きな助けとなります。介護現場においても、ロコモ体操はご利用者の自立支援に欠かせないアプローチと言えるでしょう。
ロコモ体操を無理なく継続するポイント
無理なく続けるためにも、以下の点に注意しましょう。
体操の前に体調確認を行う
無理なく続けられる頻度と回数を設定する
最初から無理をして「三日坊主」になってしまうよりも、「これなら続けられそう」と思える範囲で、定期的に継続することで、着実に効果を実感できるでしょう。
楽しんで取り組める工夫をする
高齢者住宅であれば、レクリエーションの一環として取り入れることで、より楽しく継続できます。
専門家や介護スタッフに相談する
まとめ
東急イーライフデザインでは、「グランクレール」シリーズのシニア住宅(自立の方向け)にてロコモ体操を導入して2025年で10周年を迎えました。ご入居者の健康維持・増進、そして自立支援のために日々取り組んでいます。
「ロコモ予防運動プログラム」10周年記念 特設サイトはこちらをクリック
ぜひロコモ体操を日々の生活に無理なく取り入れ、活動的で豊かな毎日を目指しましょう。